ほんじゃーねっと

おっさんがやせたがったり食べたがったりする日常エッセイ

運動で体重がどれくらい減るかを計算する

「数字で考えるダイエット」第四弾。

ダイエットを続けていても全然効果が出ず、やっていることに意味があるのか疑問が湧いて始めたこのシリーズ。

今回は運動の効果について疑ってかかりたい。

第二弾で「1日のエネルギー消費量の算出方法」と、「筋トレでそのエネルギー消費量をどれくらい増やせるか」について調査した。

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今回はウォーキングやランニング等の筋トレ以外の運動を習慣づけることによってどの程度体重を減らすことができるものなのかを調査する。

たとえば毎日ウォーキングを60分したとして、1日あたりどれくらい体重が減っていくものなのだろう?50gだろうか?それとも500gだろうか?

1ヶ月で5kgやせようと思うなら5kgやせるだけの効果を持った運動をしないと目的は達成できない。期待できる効果をあらかじめ知っておくことでどうすれば結果が出るのか、なぜ結果が出なかったかが分かるので、モチベーションも維持しやすくなる。

運動を中心とした「からだの脂肪をエネルギーに変えて消費する仕組み」を理解して、運動量と体重減少量の関係を明らかにしよう。

そもそも運動にやせる効果はあるのか

根本的な問題として、やせる(=脂肪を減らす)上で運動に本当に効果があるのかを確認しよう。

脂肪は体内に貯蔵されたエネルギー源の1つ。体内のエネルギー源は食事によって摂取され、

血液中のグルコースや脂質

肝臓に蓄えられたグリコーゲン

脂肪

という3種の形で保持される。

すぐに使うためのエネルギーが血液中を流れ、 血液中で余ったエネルギーが肝臓に蓄えられ、 肝臓に蓄えきれなくなったものが長期貯蓄用の脂肪になる。

エネルギーを摂取しすぎると脂肪が増える。逆に摂取した量よりも多くエネルギーを使えば最終的に脂肪が減る。

ではエネルギーを使うにはどうすれば良いか?

総エネルギー消費量(24時間相当)は、大きく基礎代謝量(約60%)・食事誘発性熱産生(約10%)・身体活動量(約30%)の3つで構成されています。そのうち、基礎代謝量は体格に依存し、食事誘発性熱産生は食事摂取量に依存するため、個人内での変動はあまり大きくありません。総エネルギー消費量が多いか少ないかは、身体活動量によって決まります。

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「基礎代謝」は何もしなくても体を維持するために消費されるエネルギー、「食事誘発性熱産生」は食事と消化のために消費されるエネルギー、「身体活動量」は体を動かすことで消費されるエネルギーのことを表す。

基礎代謝については第二弾記事で詳しく調査した。

運動は「身体活動量」に含まれる。基礎代謝や食事誘発性熱生産によるエネルギー消費量は変えにくいので、運動を増やすことが効果的だということらしい。

運動を増やせばエネルギー消費量が増えて脂肪が減り、やせる。やはり運動はダイエットする上で重要だということだ。

無酸素運動よりも有酸素運動

運動が必要だということは分かった。なるべく少ない努力でやせたいので、どのような運動が脂肪の効率的な消費につながるのかを調べてみよう。

運動には有酸素運動と無酸素運動がある。また、運動によって激しい運動もあればゆったりした運動がある。

有酸素運動と無酸素運動とでは主として使用されるエネルギー源が異なる。

無酸素運動の場合は「血液中のグルコース(ブドウ糖)」を主なエネルギー源として利用する。

有酸素運動の場合は「血液中のグルコース(ブドウ糖)」も使用するが、「脂肪」が分解されて生成される脂肪酸もエネルギー源として利用する。

脂肪を消費するなら有酸素運動の方が効率が良いということだ。

有酸素運動を継続すると徐々に運動時のエネルギー源に占めるグルコースの割合が小さくなり、脂肪の比率が大きくなる。有酸素運動を習慣化することでより脂肪が消費されやすくなるわけだ。

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運動の強度はあまり気にしなくてよさそう

運動の強度が増すほどエネルギー源のうちグルコースの使用率が高まる。ダイエットするときは脂肪の使用率を上げたいので、強度の高い運動よりも強度の低い運動をした方が良いのだろうか。

グルコースはすぐに使えるエネルギー源、脂肪は使うのにちょっと時間がかかるエネルギー源というイメージだ。運動強度が上がると脂肪ではエネルギー供給が間に合わなくなり、グルコースが使用される。

それだけ聞くと強度の低い運動をした方が良いように聞こえるけど、強度の高い運動は運動を終えた後の脂肪燃焼率を上げる効果があり、結果的に運動の強弱による脂肪の燃焼量はあまり変わらない。

運動の効果を高めるには運動によって消費する総エネルギー量が重要となる。強度の高い運動を短時間で済ませるのか、強度の低い運動を長時間続けるのか、自分が続けられそうな運動を選択すれば良いということだ。

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運動量と消費カロリー

ここまでの調査で「何かしら有酸素運動を継続することで脂肪を燃焼させることができる」ということが分かった。次にどのような運動でどれくらいエネルギーを消費し、どれくらい脂肪を燃焼させることができるのかをみてみよう。

運動や活動による消費カロリーは

「METs(メッツ。Metabolic equivalents)」

という係数を使って計算できる。METsは活動の強度を表しており、1METsが安静時の消費カロリー量を表す。3METsの活動なら安静時の3倍のカロリーを消費する活動ということだ。

ある活動で消費するカロリー量はメッツと体重と継続時間から下記の計算式で算出できる。

1.05×メッツ×時間×体重(kg) = 消費カロリー(kcal)

まずは自分の安静時の消費カロリー量を算出してみよう。例えば体重80kgの人の1時間あたりの消費カロリー量は下記の計算式により84kcalになる。

1.05 x 1(メッツ) x 1(時間) x 80(kg) = 84kcal

何もしなくても1時間あたり84kcalを消費している、ということだ。これが脂肪何g分くらいになるのかを計算してみよう。

カロリー(kcal)から脂肪(g)への変換は下記の式で計算できる。(こちらは第三弾記事参照)

カロリー量(kcal) / 9kcal * 1.25 = 脂肪の重さ(g)

84kcal / 9 * 1.25 = 11.6g

何もしなくても1時間あたり11.6g、1日で280gの脂肪が減ることになる。実際は脂肪だけでなくグルコースも使用されるし、食事で増える分の脂肪もあるので、最大で1日280gの脂肪が減る、と考えるのが良いかもしれない。

次に自分が習慣にしようとしている運動のMETsを確認してみよう。

各種運動や活動のMETsについては、国立健康・栄養研究所のホームページで提供されているPDFで確認することができる。

www.nibiohn.go.jp

https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf

例えば「時速4.5〜5km程度のウォーキング」は3.5METs。

それを30分続けたら下記の式により147kcalを消費することになる。

1.05 x 3.5(メッツ) x 0.5(時間) x 80(kg) = 147kcal

安静時と比較してどれくらい消費カロリーが増えるかが重要なので、1METs引いて計算すると…

1.05 x (3.5 - 1(メッツ)) x 0.5(時間) x 80(kg) = 105kcal

30分歩いたら安静にしている時よりも105kcal多く消費する、ということになる。

ジョギングのメッツは7.0METs。下記の式により30分走れば安静時+252kcalを消費できる。

1.05 x (7.0 - 1(メッツ)) x 0.5(時間) x 80(kg) = 252kcal

ではこの消費カロリーでどれくらいの重さの脂肪が減るのかを確認してみよう。

カロリーを脂肪の重さに換算する計算式は下記となる。

カロリー量(kcal) / 9kcal * 1.25 = 脂肪の重さ(g)

ウォーキング30分なら14.6gの脂肪が減る。

105(kcal) / 9kcal * 1.25 = 14.6g

ランニング30分なら35gの脂肪が減る。

252(kcal) / 9kcal * 1.25 = 35g

ご飯1杯を食べすぎた時に増える脂肪がちょうど35gなので、ランニング30分でご飯1杯分の脂肪を消費できることになる。

週3回のランニングを1ヶ月続けたとして、ようやく500g(35g x 3 x 5 = 525g)減る計算だ。ウォーキングなら週5日を1ヶ月間で300g(14.6 x 5 x 5 = 365g)減る。

まとめ

30分から60分の軽い運動を継続する程度だと月に300~500gくらい体重を減らせる可能性があることが分かった。

「体重を1ヶ月で5kg減らす!」みたいなことは運動だけだと相当頑張らないと無理だということも分かってしまったわけだが、運動にはダイエット効果が確かにあるらしいことが確認できた。

運動を継続するうちに脂肪を燃焼しやすい体になっていくようだし、無理せず運動を趣味として続けていくのが良さそうだ。

運動をすればエネルギーはその分消費されるはずなのにやせないということは、それ以上のエネルギーを摂取している…つまり食べすぎているということになる。

観念して食事を見直すしかなさそうだ。