日々ダイエットを頑張っていても、ついつい誘惑に負けてしまうことはあるものです。おかずが美味しすぎてご飯が進み、おかわりしちゃうことだってあります。
ところでその誘惑に負けた際の代償とはどれほどのものなのでしょう?
おかわりしちゃった結果、自分は昨日よりさらに太ってしまったのでしょうか?それとも大した影響はなかったのでしょうか?「なんか太りそう」とは思いますが、実際どの程度太るのかが分かりません。
ということで今回は、ごはんを食べ過ぎた場合にどのような流れで脂肪に変わるのか、そしてどれくらい食べ過ぎたらどれくらい脂肪が増えるのかを調査してみました。
食べたものが脂肪に変わるまでの流れ
食べたものは当然すべてが脂肪になるわけではなく、いくつかの段階を経て最終的に残ったものが脂肪として蓄積されます。
飲食したものは口や胃で消化しやすい状態に分解されてから「栄養となる部分」が腸で吸収されます。吸収された栄養分はグルコース(ブドウ糖)となって血液を流れて全身の細胞へと運ばれ、エネルギー源として利用されます。
血液中を流れることができるグルコースの量には上限があるので、余分なグルコースは膵臓から放出されたインスリンによってグリコーゲンに変換され、肝臓に貯蔵されます。
肝臓に貯蔵されたグリコーゲンは一時貯蔵庫のようなもので、必要に応じてグルコースに変換されて血液中に放出されます。
肝臓に貯蔵できるグリコーゲンは100g(600kcal)程度で、それを超えるグリコーゲンが貯まると脂肪に変換されます。
血液中と肝臓で使い切れる量を超える栄養を摂取してしまった場合に脂肪が増える、ということになります。
飲食物のどの部分が脂肪になるか
このような流れで脂肪ができるわけですが、食べすぎたからといって飲食したものがすべて脂肪になるわけではありません。上に書いたように、腸で吸収される「栄養となる部分」が脂肪の元になります。100gのものを食べたからといって、100gすべてが体に吸収されるわけではないのです。
ここで言う「栄養となる部分」というのは、飲食したものに含まれる、
- 炭水化物(糖質)
- 脂質
- タンパク質
の「三大栄養素」と呼ばれるものです。それ以外の水分や食物繊維は脂肪になりません。
なのでダイエットという観点での食べすぎとは「三大栄養素の摂りすぎ」を表します。食物繊維を食べまくって水をがぶ飲みして一時的に体重が増えても脂肪が増えるわけではないので、「太った」とは言わないのです。
飲食物に含まれる三大栄養素の量を表すのが「カロリー」です。
飲食物に含まれるカロリーは下記の計算式で算出できます。
(タンパク質(g) x 4) + (炭水化物・糖質(g) x 4) + (脂質(g) * 9) = その食物のkcal
体内に蓄積される脂肪は脂質(9kcal/g)の形で蓄積されますが、タンパク質(4kcal/g)も炭水化物(4kcal/g)も摂りすぎた分は脂質に変換されて脂肪になると思われます。
カロリーはエネルギー量を表すものですが、ダイエットの観点で言うと飲食物のカロリー量は「それを食べ過ぎた時にどれくらい脂肪が増えるか」を計算するための目安と考えることができます。
ところで脂質や糖質を制限するダイエットは聞いたことがあっても「タンパク質制限ダイエット」というのは聞かないですね。これは飲食物に含まれるタンパク質量が脂質や炭水化物と比較して少なく、足りないことはあっても脂肪になるくらい摂りすぎることがあまりないためだと思われます。
カロリーと脂肪の関係
次にカロリーと蓄積される脂肪はどのような関係にあるかをみてみましょう。
脂肪(脂肪細胞)は脂質(80%)と水分その他(20%)でできています。脂質は上のカロリー計算式にあるとおり1gあたり9kcalのエネルギーを持つので、脂肪1kgを燃焼させるには
1,000g x 9kcal x 0.8 = 7,200kcal
が必要となります。
逆にカロリーに変換された脂質から脂肪になる時の計算式というのは見つからなかったのですが、上の式によると脂質と水分が結合して脂肪になるようなので、カロリーが脂肪に変わる時は下記のような式で算出できそうです。
カロリー量(kcal) / 9kcal * 1.25 = 増える脂肪の重さ(g)
ごはんのおかわり1杯分の影響は
ここまでで食べたものが脂肪になるまでの流れと、摂取した栄養量と脂肪の重さの関係が分かりました。これでご飯1杯のカロリー量が分かれば、おかわり1杯が脂肪何グラムになるかが算出できます。
食材や料理のカロリー量についてはこちらのデータを参考にしました。
カロリー・チェック | カロリー一覧・検索ならイートスマート
このサイトによるとお茶碗1杯のごはんのカロリーは252kcalです。
【カロリー】「ご飯」の栄養バランス(2020/3/25調べ)
これがおかわりした時に加算されるカロリー量となります。おかわりで食べた分が全て脂肪に変わると仮定した場合、増える脂肪の重さは
252kcal / 9kcal * 1.25 = 35g
となります。
つまりおかわり1杯で脂肪が35g増えると考えられます。
この小ささだと、うちの100g単位までしか表示できない体重計には現れません。体重は変わっていないように見えますが、実際は脂肪がこっそり35g増えている可能性があるわけです。
多いか少ないか分からないので、比較のために「おかわりする代わりにハンバーグを1つ追加で食べた場合」を見てみましょう。
ハンバーグ100gのカロリーは363kcalでご飯150gよりも多いようです。
【カロリー】「ハンバーグ(デミグラスソース)」の栄養バランス(2020/3/25調べ)
363kcal / 9kcal * 1.25 = 50.4g
ハンバーグを追加するぐらいならごはんをおかわりした方がマシでした。ごはんを食べなければおかずならいくらでも食べて良いのでは?とちょっと期待したのだけどダメでした。
おかわりするのがごはんじゃなくて豆腐ならばどうでしょう。
【カロリー】「冷やっこ」の栄養バランス(2020/3/25調べ)
冷奴なら1/3丁で71kcal。
71kcal / 9kcal * 1.25 = 9.86g
豆腐1丁(9.86 * 3 = 29.58g)でもごはんをおかわりするより影響が小さいです。豆腐優秀でした。自分の周りでも「ごはんを豆腐に変えるダイエット」で痩せたという人が数人いるのですが、本当だったようです。
果物ならバナナ1本なら86kcal、オレンジ1個なら47kcal。ごはんをおかわりするよりデザートに果物を食べるのが良いということですね。
こうやって生み出される脂肪の重さで比較してみると体への影響が分かりやすくなります。
まとめ
おかわりをやめられるかどうかはともかくとして、
「ごはんをおかわりしたら脂肪が35g増える可能性がある」
ということが分かりました。
ご飯の代わりにおかずを増やすのも良くなさそうなので、どうしても足りなければごはんを豆腐に変えたり、デザートとして果物を食べるのが良さそうです。何なら1杯目のごはんの量も減らして豆腐や果物に変えれば、数十グラムずつでも痩せられるかもしれません。
今回の調査により、食べる物によって1日あたり数十グラムの脂肪が増えたり減ったりするという目安ができたのは良かったです。
次は脂肪を消費する際の仕組みについて調べてみたいと思います。
他のダイエット関連記事はこちら: