太り過ぎでそろそろ家族の冷たい視線と容赦ない言葉に耐えられなくなってきたので、
ダイエットに真剣に取り組みたい。
ダイエットといえば「食事のバランス」と「適度な運動」だけど、
おそらく日々の食事の方が体重への影響は大きいだろう、
ということでまずは「食」から取り組む。
取り組みを継続させるために重要なのは、
「このやり方が正しい」と信じ続けられるかどうかだと思われる。
食事制限や運動は、
その努力がどれくらい体重に反映されているのかが見えにくいので、
継続が難しく、なかなか成功しないのだろう。
そういえば食べたものがそれぞれ体にどんな影響を与えるのかも
全然知らないことに気づいたので、
まずは食品に含まれる栄養素とその効果について調べてみることにした。
栄養素データを入手する
探してみたら、国が食品の栄養素データを
「食品標準成分表」という形でまとめて公開してくれている。
食品毎の栄養素別含有量が記載されているので、
どの食品を食べたらどういう栄養素が摂取できるかが分かる。
栄養素についての説明は記載されていないので、
ネットやら書籍やらを参照しながら、栄養素の属性データをまとめてみた。
まだ整備が必要だが、
ひとまずこれで食品毎の栄養素とその効果は調べやすくなった。
うなぎの栄養素的特徴を調べてみる
試しに、土用の丑の日で話題の「うなぎの蒲焼き」について、
食べた時の効果を調べてみよう。
「疲労回復」「夏バテ防止」「スタミナ食」というイメージがあるが、
それはどの栄養素によるものなのか。
食品としての特徴が分かるように、
食品標準成分表に記載されている食品全体に対する
偏差値を算出して、偏差値50以上の栄養素を抽出してみた。
栄養素名 | 効能リスト | 単位 | 含有量 | 平均値 | 偏差値 |
---|---|---|---|---|---|
イコセン酸 | [コレステロール調整, 血液サラサラ, 整腸作用] | mg/100g | 1300.00 | 144.61 | 80.55 |
n-3 ドコサペンタエン酸 | [血液サラサラ] | mg/100g | 420.00 | 63.26 | 77.51 |
n-3 イコサテトラエン酸 | [神経細胞強化] | mg/100g | 160.00 | 33.69 | 71.85 |
ビタミン ビタミンB1 | [脂肪燃焼, 糖質代謝] | mg/100g | 0.75 | 0.14 | 70.81 |
n-3 ドコサヘキサエン酸(DHA) | [血液サラサラ] | mg/100g | 1300.00 | 360.80 | 67.10 |
パルミトレイン酸 | [脂肪代謝, 抗炎症作用, コレステロール調整] | mg/100g | 1400.00 | 282.21 | 66.38 |
ビタミン ビタミンB2 | [脂肪代謝, 脂肪燃焼] | mg/100g | 0.74 | 0.18 | 66.28 |
20:5 n-3 イコサペンタエン酸(EPA) | [血液サラサラ] | mg/100g | 750.00 | 245.47 | 62.07 |
ビタミン (ビタミンA) レチノール | [免疫アップ, 肌爪髪生成, 視力改善, 抗酸化作用] | µg/100g | 1500.00 | 196.26 | 61.64 |
一般成分 たんぱく質 | g/100g | 23.00 | 11.00 | 60.45 | |
ビタミン ビタミンD | [骨成長, 免疫アップ, アレルギー予防] | µg/100g | 19.00 | 6.12 | 60.19 |
無機質 セレン | [抗酸化作用, 免疫アップ, ガン予防] | µg/100g | 42.00 | 16.26 | 59.02 |
ビタミン (ビタミンE) α-トコフェロール | [抗酸化作用, 肌爪髪生成] | mg/100g | 4.90 | 1.70 | 58.51 |
ビタミン パントテン酸 | [脂肪燃焼] | mg/100g | 1.29 | 0.67 | 58.27 |
テトラコセン酸 | mg/100g | 85.00 | 36.29 | 57.88 | |
無機質 亜鉛 | [肌爪髪生成] | mg/100g | 2.70 | 1.37 | 57.81 |
コレステロール | [] | mg/100g | 230.00 | 111.95 | 57.39 |
無機質 リン | [骨成長] | mg/100g | 300.00 | 155.38 | 57.29 |
ミリスチン酸 | [免疫アップ, ガン予防] | mg/100g | 850.00 | 288.75 | 56.41 |
n-3 オクタデカテトラエン酸 | [抗炎症作用, アレルギー予防] | mg/100g | 170.00 | 75.61 | 55.96 |
ヘプタデセン酸 | [コレステロール調整] | mg/100g | 110.00 | 54.59 | 55.37 |
パルミチン酸 | [抗酸化作用] | mg/100g | 3600.00 | 1765.58 | 55.23 |
ドコセン酸 | [コレステロール調整, 保湿] | mg/100g | 500.00 | 216.87 | 54.18 |
ビタミン ナイアシン | [脂肪燃焼, アルコール分解] | mg/100g | 4.10 | 2.86 | 52.82 |
無機質 カルシウム | [骨成長] | mg/100g | 150.00 | 91.81 | 52.07 |
ビタミン ビオチン | [脂肪燃焼] | µg/100g | 10.40 | 8.93 | 50.68 |
n-6 アラキドン酸 | [血液凝集] | mg/100g | 62.00 | 58.70 | 50.44 |
ステアリン酸 | [抗酸化作用, 保湿] | mg/100g | 790.00 | 725.18 | 50.41 |
n-6 イコサトリエン酸 | [コレステロール調整] | mg/100g | 16.00 | 15.77 | 50.09 |
「抗酸化作用」「整腸作用」「免疫アップ」の効果がある栄養素が
多く含まれているので、このあたりが「疲労回復」等の特徴につながっているのだろうか。
ビタミン類が豊富に含まれていると、
疲れをとったりスタミナの元になったりするらしい。
血液サラサラ効果のあるDHA、EPAも豊富に含まれているようだ。
印象として、血液がサラサラになると、
脂肪も流れていって痩せていくイメージを持っているのだけど、どうなのか。
栄養素のグループから食品を見てみる
上の表では食品に含まれる栄養素から特徴を洗い出したので、
次に特定の効果を持つ栄養素のグループが食品に
どの程度含まれているのかを調べて、
その食品の特徴を洗い出してみよう。
今回は、うなぎに豊富に含まれている「ビタミン」と
個人的に興味のある「血液サラサラ成分」でグラフ化してみた。
比較のため、「いわしのかば焼き」のグラフと並べてみよう。
ビタミンACE
まずは抗酸化作用があると言われるビタミンA,C,Eでまとめてみる。
うなぎのかば焼き
いわしのかば焼き
どちらもビタミンA、Eを含むが、
うなぎのみビタミンEのγトコフェロールを含有している。
これは体内の塩分排出を助ける栄養素らしい。
その他のビタミン
うなぎのかば焼き
いわしのかば焼き
どちらもビタミンB、Dを多く含んでいる。
うなぎのみビオチンを含んでいるが、これは皮膚や髪を作る栄養素。
表の上部を占めるビタミンB群は疲労回復に効果があるようで、
特にビタミンB1は必要量を摂取できていないことが多いらしい。
ビタミンB1の含有量が多いうなぎが「疲労回復」に良いとされるのは
これが理由かな?
血液サラサラ成分
うなぎのかば焼き
いわしのかば焼き
これまたどちらも血液サラサラ成分を多く含むようだ。
うなぎはEPAをより多く含み、いわしはイグノセリン酸を多く含む。
この2つの栄養素としてのちがいはよく分からなかった。
おわり
うなぎのかば焼きといわしのかば焼きの比較結果としては、
ビタミンや血液サラサラ成分に関しては
それほど大きな違いがないということは分かった。
調べるのはなかなか楽しかったので、
勉強を進めつつ、興味を持った食材について調べてみたい。
栄養素について理解することで、自然と良い選択ができるようになり、
痩せていけるといいのだけど。
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